特徴
ウリ科スイカ族の1年生果菜で、中身が赤いものが一般的だが、中身が黄色いものや形の小さい小玉スイカなどがある。
ビタミン類やカリウムが豊富に含まれる。
最適生育適温は25~30℃近くで、日当たりの良い場所を好む。
根が強く乾燥にも強いが、多湿には弱い。
種からも育てられるが、家庭菜園では数が少ないので、春に園芸店などに出てくる苗を購入すると色々な品種から選ぶことができる。
連作を嫌うので、4~5年は間をあけるようにするが、ユウガオ台木などへの接ぎ木苗も多いので、これを利用するとツル割れ病を回避できる。
ツルが何本か数m伸びるので広い場所が必要だが、ツルを整理してやればある程度制限できる。
畝の中央に植えるよりも、片方に寄せツルは広い方に誘導すると管理しやすい。
高橋さんち(2018年)
以前、庭先で小玉スイカを育てたことが有りますが、畑を借りられることになったことから、2018年5月にスイカの苗をホームセンターで狭いのに色々試してみたいため4本購入して植えました。
右の写真は、植え付け後約1か月後の状態で、子ヅル、孫ヅルが良く伸びています。
左から、「接木大玉スイカ祭りばやし」、「接木小玉マダーボール」、「接木赤小玉」、「接木中玉こたねちゃん」で、赤い点は、苗植え付けの位置ですが、既にお互いに重なり合っており、先端の進路を曲げてやらないとどこまでも伸びそうです。
苗は近くのホームページで購入しましたが、育てたことがないので、問題はツルの管理や果実をどこに成らせ、何個収穫できるかです。
調べると、
・親ヅルは6~7節で摘心し、小ヅルを3~4本伸ばす。
・低節位にできた果実は、小果・へん平な形になる可能性があり、高節位にできた果実は腰高・空洞になるようで、20節前後についた花芽を成長させる(2番果)。それ以前の孫ヅルは除去する。
・小玉は1蔓に1個、大玉は1株に1~2個が基本。もっと多く収穫できるが、味が落ちる。
・大玉種は鶏卵大で開花7日後、小玉種はピンポン球大で開花3日後になったころに標識をつけて収穫の目安にする。
と管理すると良いようです。
栽培した品種
○接木大玉スイカ祭りばやし
・果実は8~9kg以上の玉張りの良い豊円形で、果肉は明るい鮮紅色。糖度は13度前後で舌に残る強い甘みと風味の良さを合わせ持つ。
・本葉5枚の頃に親づるを摘心して子ヅルを4~5本伸ばし、16~22節の間に着果させる。この前の節に着果させると玉が小さく扁平果になりやすく、後の節に着果させると、玉がふくらみすぎて変形果、空洞果、裂果になりやすい。1株に2玉とし、交配後46~50日が収穫時期。
・着果節までの側枝は早めに除去し、着果節以降の側枝は基本的に残す。
・着果後、初期肥大を促すため、灌水や肥効を高める
○接木小玉マダーボール
・実の重さは2.2kg前後、縦の長さは大体20cm前後の楕円形をしている小玉スイカ。実の表面は緑色に濃緑色の細い縞模様が出て、果肉の色は濃紅桃色。 糖度は12~13度と高く安定し、食感はセンイが少なく、しまっていてシャリ感がある。
・本葉5枚の頃に親づるを摘心して子ヅルを4~5本伸ばし、16~20節の間に着果させ、3果収穫。1番果収穫後、草勢が安定していれば2番果を着果させて6玉収穫。
・着果節までの側枝は早めに除去し、着果節以降の側枝は基本的に残す。
・極早生品種で、受粉後40日程度で収穫できる。つるの勢いが強いので、元肥は控えめにする。
○接木赤小玉
・小玉スイカの定番品種で、形は正球~腰高球になり、昔から育てられている。
・実の重さは2kg前後、実の表面は薄い緑色に、緑色の細い縞模様が出て、果肉の色は鮮紅桃色で、実はしまっていてシャリ感がある。
・糖度は11度~12度くらいで、さっぱりとした甘さでどこか懐かしい味がする。
・親蔓の葉が7~8枚伸びた頃に先端を摘み取り、生育のよい子蔓を3~4本残し、ほかの子蔓は摘み取る。
・つるの勢いがやや強いので、元肥は控えめにし、追肥は、最初の実がピンポン玉の大きさになったころと、2番果が2個以上着果して少し大きくなってきたころに行う。
・子ヅルの20節くらいにつく雌花を結実させ、それより下についた雌花や孫ヅル、7~8節目につく1番果は摘み取り、1ツル1果を基本とする。
・受粉からおおよそ35日程度で、もしくは、実のついた節から出た巻きひげが枯れたら。
○接木中玉こたねちゃん
・カネコ種苗の、種もまるごと食べられる、種の小さな甘いスイカ。やや楕円形で3kg程度の中玉タイプ。
・本葉が7枚位になったら先端の芯を摘み取って子ヅルを2~3本伸ばし、株元に敷きわらをする。
・1本の子ヅルに1つの果実をならすために孫ヅルは摘み取る。
・開花から35~40日前後。巻きひげが半分以上枯れたら収穫のサイン。
栽培経緯
栽培のマニュアルどおりできたのは最初の親ヅルの摘心と伸ばす子ヅルの選択だけで、右の写真のようにツルは元気に伸び放題になってしまい、防カラスネットに絡まったり重なり合ったりして何の種類のツルか調べるのはあきらめました。
畝の真ん中に植えたためにツルが4方に広がりお互いに重なり合ってしまったようで、端に植えて反対側に伸びるようにすればよかったかもと反省です。
7月10日に初収穫
ツルも枯れてきたので7月10日に「大玉:祭りばやし?」を収穫しました。重さは、4.7kg、大きさは25cm位で、少し早かったかもしれませんが十分甘く瑞々しかったので満足です。
熟す頃にカラスがつついて食べてしまうので周囲にネットを張りましたが、エノコログサなどの大きな雑草が生えてきてツルと絡まっても中に入って取り除くことが困難になり、藪状になったのは反省です。
人工授粉を何度かしましたが、小さな虫や蜂などが飛んでいるので自然に任せることにしました。
自然(放置?)受粉がうまくいきましたが、大きくなるスイカの中には途中で腐ったりしたものがあったのは残念で、また、小玉スイカは収穫時期が遅れると破裂することがあり、収穫時期の見極めは難しいです。
その後、最終的には、大玉2個、小玉5個、マダーボール2個、中玉こたねちゃん3個収穫できましたが、ツルの整理、雑草やカラスとの闘い、収穫時期の見極めなどが課題があった1年でした。