特徴
昭和54年に静岡県にある国の果樹試験場興津支場で「清見」というみかんと「ぽんかん」をかけ合わせて作られた品種で、「不知火(デコポン)」とはぽんかんの種類が違う兄弟。
普通のみかんと同じように手で皮をむいて食べられ、薄皮もすごく薄く、種子も少ないので食べやすい品種。糖度は12度~16度と高く、濃厚な甘みとプリプリとした食感を持つ。
栽培
日当たりのいい北風の当たらない場所を好み、植え付け適期は3月頃。
受粉しなくても実がなる強い単為結果性を持っているので、1本でも実がなる。種がないのは「雄性不稔性」が強いので花粉が少なく能力もないためで、別の品種の花粉を受粉させれば種はできる。
4~5月に春枝が伸び、枝によってはその春枝から7~8月に夏枝が、更に9~10月にその夏枝から秋枝が伸びる。春枝は短く止まるが、夏枝、秋枝は葉の間隔が長く徒長気味に育つので充実した枝になりにくい。
花芽は1~2月に分化し、主に前年の春枝の先端から2~3葉に混合花芽を付ける。夏、秋枝にも実を付けることがあるが良い実にならない。
花には、新梢が伸びて葉が展開しその先に咲く有葉花と、新梢がほとんど伸びずに葉もつけずに花が咲く直花がある。直花は栄養状態の悪い結果枝に多く、生理落果しやすい。
前年に実を付けた枝には花芽できず、実のならない発育枝(翌年は花芽をつけるので切らないでおく。)が育つので、豊作の次の年は不作になる隔年結果になりやすく、豊作が予想される花芽の多い年は蕾を摘み取っておくと、翌年その枝から花芽の付いた新梢が発生し、実がなる。
毎年安定して果実を成らせるには、摘蕾、摘果を行い、果実が成っている枝と成っていない枝がそれぞれ半数ずつある状態にするのが良い。
木成りで越冬して収穫する場合は2~3月が適期だが、凍害等がある場合は12月に収穫して1~2か月保存して追熟させる。
・肥料の与え方はネットで調べると諸説あるようだが、
「カンキツの根は夏に最も窒素を吸収し、春の新梢や花の成長は、前年の夏~初秋に吸収・貯蔵された養分で賄われ、夏肥えは夏秋枝の伸長や果実の着色には悪影響を与えず、肥料のほとんどが9月に伸びる根によって貯蔵養分として蓄積されるため、樹勢が安定し品質が良くなる。
年間施肥量の約6割を6月下旬の2次生理落下後に施し、残りの4割を10月に樹勢を回復させるため化学肥料を施す。春は施用しない」
というのが新しい考え方?。
高橋さんち
2003年に、温暖な気候を好むミカン類が埼玉県で育つか不安だったが 「サカタのタネ」で美味しさで評判のはるみミカンの苗木を購入、家の南側に植えました。
最初の3年位は花も咲かず樹もあまり成長しませんでした。次の3年は木も太くなって花を2~3輪付けることがあっても実はなりませんでした。
肥料をボカシ肥などの有機系に変え、2010年には春に沢山の花が咲き、やっと実もなってくれました。その数も一挙に30個もなり、12月~1月にかけて順次収穫、すぐ食べるとやや酸味が強かったがしばらく置いて追熟するとそれも消え、評判どおり大変美味しいミカンでした。
1月下旬からの寒さで南側の細い枝が一部霜害にやられて葉が落ち、枝も茶色に変色してしまいました。
マイナス5℃位になったと思われ、極寒気にはさすがに防寒対策が必要かと思われましたが、大変なので”慣れるのを待つ”ことにしました。
さすがに葉が落ちると次の年は満足な実はなりません。
2011年の春には霜害と 昨年の 無摘果による隔年結果のためか、花を2つしか付けませんでした。
この花には右の写真のように表面がごつごつした昨年とは違った不思議な形の実が付きました。食べてもあまり美味しくない!。
はるみミカンは環境等によってデコポンのような突起が出たり変な形の実がなる性質があるようで、ミカン農家は大変な努力でいわゆる「はるみミカン」を栽培していることを実感しました。