ブルーベリーは北アメリカ原産で、ツツジ科スノキ属の半落葉低木。針葉樹が朽ちて堆積したような所に自生していたものを品種改良して現在の形になったもので、水はけのよい酸性の土壌を好むという性質は引きついている。菜園のように石灰などを撒いてはいけない。
主な品種には、寒さに強く自己結実性があり大粒で品質が良がよいが土壌酸性度に対する適応の幅が狭いといわれる北部ハイブッシュ系、温暖な地域での栽培用に改良された品質に優れて小中粒の南部ハイブッシュ系、熟す前の実が兎の眼のように赤くなり、暖かい地方向きで樹勢が強く土壌もあまり選ばないが自己結実性が少なくラビットアイ系がある。夏が暑い日本の気候を考えると一般に育てやすい順にラピッドアイ>南部ハイブッシュ>北部ハイブッシュといわれる。
家を新築して暫くした1990年に庭の南側に地植えしたラピッドアイ系の品種の異なる2本はシュートと古株の更新を繰り返して2m位に育ち、小さいが甘い実を毎年たくさんつけてくれるので、生食やジャムに利用し、大変重宝している。
実を多くならせるための人工受粉は花の数が多いのと花が釣り鐘型なので受粉しにくく、ミツバチなどの手を借りる必要がある。寒い春は虫も飛んでおらず心配だったが、5月に入って天気の良い日には結構ミツバチや名前の知らない数ミリ程度の小さいアブ?などが集まって受粉してくれるので助かっている。
庭植えと同時に、場所がないので「ティフブルー」などの実の少し大きな種類を鉢で育てていたが、たくさん収穫できた年以降は、段々樹勢が悪くなり、枯れるものもあった。原因は、よく言われる若木のうちに実をたくさん成らせて収穫したこと、夏場の乾燥、土壌pH(赤玉土とピートモスで植えたが、段々酸度が中性に近づいていた?)ことなどと思われる。本で読んで注意すべきことは知っていたが、真剣には考えていなかった。つい花芽がたくさん付くと収穫が楽しみで剪定が甘くなる。鉢植えティフブルーについては現在再挑戦中で、ほかにも数鉢のラピッドアイ系の鉢があるが、樹勢と収穫量のバランスは難しい。
ラピッドアイ系ばかりだったが、2010年晩秋に園芸店に行ったらたくさんの花芽が付いている3年生くらいのサザンハイブッシュの「ミスティ」という苗を売っていた。花芽が多くすぐにたくさん収穫できそうなので購入し、鉢植えにしたが、実を付けすぎると樹勢が弱ることを思い出し、なくなくほとんどの花芽を削除した。2年目の2012年は環境が変わったためか購入時よりは花芽が少なかったが元気に育っているので少し収穫してみたいと思っていたが、異常な夏の暑さか水やりの失敗かで調子を崩してしまい、11月に枯れてしまった。過湿に弱いといわれているが、鉢をベランダに直接置いていたので鉢底からの水はけが悪かったことも原因と思われる。
2011年春には、日本で品種改良して大量に育成されている「あまつぶ星」などの新しい「星」シリーズの1年生子苗(収穫はまだかなり先だが安いので)を3種類計6本購入した。しかし、2012年の春の生育の状況はまちまちで、5月の段階では総じて元気がないので、1回り大きな鉢に植え替えた。その後、ちょっとした手入れの差のせいか元気に大きくなったものもあれば枯れたものもあり、夏を生き延びたのは偶然にも「あまつぶ星」、「おおつぶ星」、「はやばや星」各1本の3本のみだった。しかし、この3本も2013年の異常な暑さには耐えられなかったようで全て枯れた。最近の夏の暑さを考えるとどれも栽培は難しい品種のようだ。
2011年11月には、栽培は難しそうだがより大実で品質が優れるという有名な「ダロー」、「スパルタン」「チャンドラー」の2年生苗をネットで購入した。2012年の異常な暑さを生き延びたのは「チャンドラー」だけで、他の2本は葉の先から茶色に変化(水不足?)し、次に枝枯れ病も発生して枯れ死した。
写真:チャンドラーの実。100円玉位の大きさにはなった。
枯れたままでは悔しいので、2012年10月にコメリの通販で先に枯れた「ダロー」、「スパルタン」2本と新たに「ブルーレイ」、「パトリオット」を各々980円で購入した。緑の元気な葉が付いており、思った以上に良い苗だったが、植付け前に「スパルタン」1本が早めに紅葉したので、この樹と「ダロー」を酸度調整した庭に、他は場所がないので鉢に植付けた。
この「スパルタン」は元気のない状態が続いたので、11月下旬に再度掘り上げて専用用土で鉢植えに戻し、その後に鉢の「ブルーレイ」植えた。しかし、この「ブルーレイ」は2013年の夏に枯れてしまった。ピートモスを入れて植えたが土壌の酸度が十分に下がっていなかったようで、「ダロー」も枯れた。ピートモスの量が足りなかったのが第一原因で次に小さな苗をいきなり地植えにしたのも悪かったと思われる。
ホームセンターに行ったら「フェステバル」の形は悪いが比較的大きな苗を980円で売っていたのでつい購入。一度調子を落としたが何とかもっている。
南部ハイブッシュの「オニール」、「シャープブルー」も同じ時期に近くの園芸店から購入し、10号スリット鉢に一緒に植え付けた。 こちらは元気で、半分以上花芽を落としたが、少し収穫もした。樹が大きくなったので2012年11月下旬にそれぞれ10号鉢に分けて植え替えた。
しかし、2014年春に新芽が伸びるはずがこの2本は元気がないので鉢から抜いたらコガネムシの幼虫が細根をほとんど食べつくしていた。補殺して植え替え、2015年春にやっと新葉が少し伸びてきて何とか生きている状態。
樹勢が強い品種なのでなんとか生き延びて、2017年春になってやっと花が咲くようになるまで回復した。
管理
よく言われるようにコガネムシの被害は重大で、次にミミズも悪いことがわかった。元気のない鉢の苗を抜いてみると、大きなミミズが必ず根の間に入っている。 地面に直接置くと入ってくるのでレンガなどで縁を切っておく必要がある。
栽培はラピッドアイ系が一番楽で、次に南部ハイブッシュ系、北部ハイブッシュは夏の暑さを乗り切って成木になるまでに枯れる場合が多く最も難しい。
種類も増えてきて何とか育て方の要領もわかってきたので今後の成長が楽しみだが、狭い庭で他の果樹も育てているので鉢の置き場などに困りそう。