特徴

サクランボは、インドのヒマラヤ地方が原産で、バラ科サクラ属の中高木。落葉後は休眠に入るが、一般に7℃以下に1500時間程度遭わないと開花や結実に悪い影響を与えるといわれ、暖地では栽培しにくい。
また、一般に自家受粉しない自家不和合性なので複数の種類を混植する必要があるが、相性や花の時期のずれなどに注意が必要で、家庭での栽培は果樹の中で最も難しいといわれる。

高橋さんち

鉢植えでは栽培が難しいのは知っていましたが、完熟時の美味しさを味わいたくて何度か挑戦したものの、失敗が続きました。懲りずに再挑戦してきましたが、畑を借りて忙しくなったこともあり更に手をかける時間がとれないので残念ながら2017年に諦めることにしました。

その失敗の歴史を紹介し、何らかの参考になればと思います。

最初は、授粉樹が要らないというので、価格は高かったけどサカタのタネから「さおり」を購入して栽培を始めました。
鉢で3年くらい育てた年の春に沢山の花が咲いたので実を付けるのを期待していましたが、その後急に元気がなくなって枯れてしまいました
原因は不明ですが、花が咲いたのが嬉しくて水やりのし過ぎによる根腐れが原因と考えています。高い苗木だったので悔しい思いをしましたが、管理の仕方が悪かったのであればやむを得です。一般的な品種のものをうまく育てられるようになったら再挑戦してみたいと思いました。

「さおり」に懲りて苗の安い一般的な「高砂」、「佐藤錦」、「ナポレオン」の鉢植えを始めました。
こえらも、2~3年は育つが、夏の暑さに弱いようで、秋に植替えすると枯れてしまいました。今から考えると、用土や水の管理などが適切でなかったためと思われます。

2010年に味の良いと言われる「佐藤錦」、「ナポレオン」に限定して苗木を購入して再挑戦を始めました。
「佐藤錦」は鉢植えではまた枯れそうなので庭植えにしてみたら、3年たっても元気に育ちました。
地植えでは上手くいきそうですが、サクラの仲間なので成長が早く、大きくならないように、剪定、誘引を行った結果、2012年の4月から数輪花が咲いて実がなりましたが、充実することはほとんどなく縮んで落果してしまいました。
その後も成長と剪定の繰り返しをした結果調子を崩して枯れてしまいました。のびのび伸びたいのに剪定された結果で可哀そうでした。

これと並行して、2011年秋には受粉樹をそろえるため、以前枯れた「高砂」と新たに「紅秀峰」の苗を購入して鉢で育て始めました。用土は、以前は水はけを重視して赤玉土の比率を高くしましたが、鉢の中の水分が大きく変動しないように腐葉土を多めに入れました。
2012年5月現在、花は咲きませんでしたがなかったが、順調に育ったので、一部の枝は葉5枚残した所で摘心しました。しかし、乾燥気味に育てていたら、水不足になって葉が落ちた枝があり、鉢で適正に管理するのは本当に難しいと思いました。

2013年3月27日になんとか「紅秀峰」が開花しましたが、佐藤錦はつぼみ状態で受粉できませんでした。
しかし、「紅秀峰」は自己結実性があるのか、実をつけてくれたので収穫の楽しみを味わうことができました。
サクランボ栽培で10個以上収穫できたのはこれが最初で最後です。
2年後にはその、「紅秀峰」も枯れ、2017年春には鉢植えの「佐藤錦」1本、「高砂」2本残るだけでしたが、4月には沢山の花を付けてくれました。

高砂開花が4月4日、佐藤錦開花が4月7日で3日程差がありましたが、同時に開花している期間もあったので人工授粉して結実につなげたいと思い、2~3回筆を使って人工授粉しました。
しかし、結実するものの実は小さいうちに落下し、1つも残らないという状況でした。

サクランボ栽培は山形が中心ですが、温暖化により北海道でなければ美味しいサクランボ栽培はできなくなるのではないかと聞いたことがあります。
栽培して感じたことは、

  • 冬十分な寒さに当てないといけないのに、冬は寒い埼玉でもサクランボにとっては暖かすぎる。
  • 樹勢が強いので、鉢や狭い庭では強剪定になり、徒長枝の発生や新梢の削除につながるため何時まで経っても栄養成長から生殖成長に移行できない。

というサクランボという樹の生理が影響したものと思われます。
土壌管理や水やり、温度管理、剪定、人工授粉などを全て完璧にやって結果が付いてくるのがサクランボで、果樹の中では一番難しいということを実感しました。
埼玉では無理・・ということでしょうか