特徴

プルーンはバラ科の落葉中高木で原産地はヨーロッパです。乾燥プルーンが一般的で、生の果物として市場に出回るのは珍しく、出ても酸味を感じることが多いようで、樹上完熟した実は美味しいのですが手に入りにくい果実です。

主な品種はシュガープルーン、サンプルーン、スタンレイなどであり、30~40gの濃紫紅の実をつけ、果肉はオリーブ色です。
プラムと違い自家結実性があるので1本でも実がなり、樹勢強健で、豊産性もあるので育てやすいですが、かなりの大木になります。

育てている経験では、花の時期が早いのでその時寒害に合うと収穫量は激減する、収穫時期になるとカメムシが飛んできて葉や実が食害にあう、樹が大きくなるので実を成らせながらコンパクトに仕立てるのが難しいという印象ですが、樹上で完熟した実やジャムは大変美味しいものです。

高橋さんち

実家から送ってきたプルーンで作ったジャムがおいしかったので、沢山実が付いていた鉢植え(新種名の表示はなかったが、後で調べるとスタンレーと思われる)を園芸センターで購入しました。

次の年も実がなると思っていたら、管理が悪かったのか全くならないので地植えにしてみました。
予想通り、狭い鉢から解放されて樹が本来の性質を取り戻してどんどん栄養成長しはじめ、2~3年は数個しかならず、しかもカメムシにやられるので口には入りませんでした。

プルーンの花
4月下旬のプルーンの花

その後、枝先の高さが5m位までになったら栄養成長も落ち着いたせいかたくさん花が咲き、何とか50個程度は残って大きくなってきました。
しかし、幼果の果柄の中間くらいを半分くらい切られて成長途中の実が落下する被害が続出、その半分程度しか収穫できませんでした。

よく観察してみると、黒い小さな虫が近くにおり、この虫は、バラに被害を与えているクロケシツブチョッキリ(バラゾウムシ)のようで、授粉して幼果に成長した頃にそこに卵を産み果柄を半分切って卵が孵化したころに自然に果実が地面に落ちるように細工しているとのことで、被害が多発すると収穫できなくなってしまいます。
落ちた幼果には卵が入っていてそこで孵化して成長するので早めに取り除いてゴミとして処分する必要があるようです。
次の年にはもっとたくさんの花が咲き、たくさん収穫できると思ってましたが、冬の剪定が強すぎて栄養成長に転じたせいか花が咲いた割には実付きが悪く、更に、同じようにゾウムシの被害に会い、この年は全く収穫できませんでした。

プルーンの実
プルーンの実

反省して次の年は冬の剪定を枝先のみの弱剪定とし、ゾウムシ、カメムシの早期発見、駆除に努めることにしました。
弱剪定で枝が暴れなかったのか、受粉が上手くいったのか、樹が成熟して実を付ける年代になったのか不明ですが、2013年はたくさん実がなりました。
ゾウムシもほとんど目に入らず、7月現在では茎を切られる被害はほとんど発生していないようです。
写真:摘果せず。生理落果はあったが、たくさん残っている。


着色したプルーン
着色したプルーン

スタンレーは8月中旬には写真のように着色しますが、まだ酸味が強いのでこの色につられて収穫すると酸っぱくてまづいということになります。
スタンレーの収穫時期は9月で、9月上旬になると確かに触るとやわらかい実が出てくるのでそれらから収穫できます。
同じ色のまま徐々に熟していくので収穫時期が難しですが、9月まで待って樹上で完熟した実はあめ色で美味しいものです。
写真:収穫前の実。消毒や薬剤散布をさぼているので結果的に完全無農薬になっている。

病害虫

大型のコガネムシが完熟の匂いを嗅ぎつけてかどこからか飛んできて、葉を穴だらけにしたり、実に頭を突っ込んで食べます。
枝を下から棒でゆするとほとんどが死んだふり?をして地面に落ちてくるので潰すか家庭用殺虫剤で殺すことになりますが、毎日どこからか飛んでくるので収穫時は戦いになってます。

逆に、沢山実を付けるようになったためか、ゾウムシやカメムシの被害は目立たなくなりました。

病気では、熟してくると果実の表面に灰白色の胞子の粒粒が全面的にできて実が腐る灰星病が発生します。発生量は多くないので見つけたら早めに叩き落としてごみとして捨てています。
プルーンの表面には白い粉がふいていますが、これは灰星病など病気に対抗するための自衛手段だと聞いたことがあります。

 
乾燥プルーン作成のための下準備
乾燥プルーン作成のための下準備

9月中旬に収穫した実は生食だけでは食べきれないので、ジャムにして食べます。
プルーンはドライフルーツが有名で、家庭でもできないかと完熟果をそのまま乾燥させても日本の気候ではカビが生えたりしてドライフルーツになる前に腐ることが多いようです。
ネットで調べると砂糖と一緒にして電気釜に入れ、10時間ほど保温機能で保温した後に干すという方法が紹介されていたので試してみました。
写真は、電気釜から出して干す前の状態で、下のほうの実はすでに表面がシワシワになっており、広げて干したら丸い実もすぐに乾燥してドライフルーツにすることができました。
結構大変なので、その後はもっぱらプルーンジャムで食べています。