基本用土
水はけ、水持ち、通気性のバランスが取れていることが必要で、更に堆肥を含ませて微生物の活動を活発にして根の成長を促進するような土壌にする。
種を撒いて育苗したりプランターや鉢で苗を育てる場合は市販の用土を使うので購入することになるが、価格、成長効果、近くのホームセンターで手に入りやすい等の観点から用土を選択する必要が有る。
プランターや鉢では、一般に
・赤玉土6、腐葉土3、牛糞堆肥1 にボカシ肥料1g/1ℓの割合
酸性の用土で育てるブルーベリーでは、人によって色々な用土配合が提案されているが、
・ピートモス8、鹿沼土2またはパーライト2
ピートモスは酸性だが、いったん乾燥すると水を弾く、コガネムシが産卵し幼虫が根を食い荒らすことから
・赤玉土2、鹿沼土4、腐葉土4 に骨粉入り油粕5g/1ℓの割合
の組み合わせもあるようだ。
○赤玉土
関東ローム層の粘土質を多く含んだ赤土を乾燥させて機械で砕き、大粒、中粒、小粒、細粒に選別したもの。粘質で、水持ち、肥料持ちが良いため園芸の基本用土として最も一般的に用いられる。主に栃木県で産出され、やや酸性で、有機質は含まない。硬質で粒が崩れにくいものが良い。
肥料分がなく、水はけが良いので腐葉土30~40%などと組み合わせて利用する。
○鹿沼土
関東ローム層の赤土の下にあり、軽石質の火山砂れきが風化してできた黄色の玉土。多孔質で、保水性、通気性に優れ、酸性で、「サツキ」などつつじ類や「東洋蘭などの栽培に用いられる。主に栃木県鹿沼市で産出され、有機質は含まない。粉状に砕けやすく、土粒の大きさが不ぞろいのまま袋に詰められていることが多いので用途に応じてフルイにかけて使うとよい。
水分を含むことで薄黄色から鮮やかな黄色に変化するので、水やりのタイミングがわかりやすい。単用では空気を多量に必要とし、過湿を嫌う植物や肥料分を必要としない植物に向く。
○黒土
関東ローム層の表層にある有機物を多く含んだ土のことをその色から黒土または「黒ボク」という。肥料分を少し含んでいて、保水性や保肥性もよいが、細かいので水はけ、通気性は劣る。
○桐生砂
風化が進んだ赤褐色の砂礫で、鉄分を多く含む。通気性と保水性に富み、東洋ランや山野草などの鉢植えなどに用いられる。
○日向土
宮崎県産の火山灰土で、黄褐色の軽石。通気性と保水性に富み、東洋ランや山野草などの鉢植えなどに用いられる。
○軽石
火山性の用土で、多孔質になっているため軽くて水はけ、通気性が大変良い。
通気性、排水性を良くするため、多孔質のパーライトを10~20%加えて用いるとよい。
改良用土
○腐葉土
広葉樹の落葉を腐熟させたもの。通気性、保水性、保肥性に富み、微量要素も含むため土壌微生物を増やし土壌を改良する。
○ピートモス
湿地の水コケが堆積して腐熟したもの。通気性、保水性に富む。軽くて無菌なので室内で育てる場合に使いやすい。通常は強酸性だが、中性に酸度調整されたものもあり、確認が必要。
○パーライト
真珠岩を粉砕焼成した人口砂礫で、通気性が良く極めて軽いが、保水性や保肥性に劣り、水にも浮く。弱アルカリ性。
○バーミキュライト
雲母系ひる石を高温焼成したもので、多孔質で軽く、通気性、排水性がよいが、肥料分はなく、保水性や保肥性に劣る。無菌なので、単用