特徴

バラには多くの種類がありますが、大きくは1867年にフランスの育種家それまでになかった大輪四季咲き系の「ラ フランス」を発表してハイブリッド・ティー系統が誕生して以降のバラをモダンローズといい、 それ以前のバラをオールドローズと呼んでいます。
その後、花の色や形、樹形、耐寒性等に特徴のある多くの品種が現在も生まれていますが、樹形からは一般的なブッシュ系(木バラ)、 枝の伸びるツルバラ系、中間のシュラブ系(半ツルバラ)、小形のミニアチュア系などに、形質的にはモダンローズとオールドローズの性質を持つイングリッシュローズなどにも分けられます。
モダンローズは生育期間の5~11月までは繰り返し新しい枝を伸ばして花を咲かせる四季咲き性で、豊富な花色、花形を持っていて、その形や咲き方から大きく次のように分けられています。
○ハイブリッド・ティー
ハイブリッドは雑種、ティーは剣弁と紅茶のような香りのある系統という意味で、これらのバラを交配して生まれた豪華なバラが多く、花の大きさが直径8~16cmと大輪で、整った花形の剣弁高芯咲きが中心。
○フロリパンダ
フロリは花、バンダは束を意味する合成語で中輪房咲き系のバラ。耐寒性に優れ、花の大きさが直径4~10cmと中輪ですが3~20の房咲になり、枝数、花立ちも多い。遅咲き種が多く、花持ちもよい。

高橋さんち

1988年に家を新築した際に最初に植えたのがハイブリッド・ティーのピンク色の「マリアカラス」と黄色の「ランドラ」で、それ以降新しいバラを購入したり、更新したりして長年楽しんでいます。

マリアカラス
マリアカラス

○「マリアカラス」
四季咲き半剣弁抱え咲き。12cm位の大きな花が咲き、株は半横張り性で大株となります。
長年楽しんでいましたが、樹が古くなって新しいシュートが出ず形も悪くなったので2015年に新しいバラと更新しました。

ランドラ
ランドラ

○「ランドラ」
四季咲き剣弁高芯咲き。12cm位の整った花形の明るい黄色い花が咲き、株は半横張り性で大株となります。
株は直立性で、大きなトゲがよく目立ち大株になり、強香性があります。

イングリッドバーグマン
イングリッドバーグマン

○「イングリッドバーグマン」
四季咲き半剣弁高芯咲き。深紅の大輪の花が魅力的なバラで、バラ殿堂入りしています。
2003年に購入し、鉢植えで楽しんでましたが、途中植替えを2~3年さぼったせいか2009年に枝の途中が黒くなって元気がなくなり(キャンカー?)枯れてしまいました。
枯らしたのが悔やまれる良い花だったので、新たに2013年春に篠宮バラ園から苗木を購入、芽挿し苗木で弱弱しい印象でしたが、地植えにしたら順調に育っています。

ピース
ピース

○「ピース」
四季咲き半剣弁高芯咲き。15cm位の花は黄色の花弁にピンクの覆輪がかかる。半横張り性でボリュームのある株となり生育がよく照葉も美しい。その名は第2次世界大戦の終了記に命名されたもので、世界バラ会連合が「栄光の殿堂入りのバラ」に最初に選ばれました。
空き家になった実家から移植した我が家のピースは根こぶ病が発生して花を付けなくなったのでやむなく更新しました。東京都文京区本郷の東京都水道歴史館の庭園には蔓状に大きく成長した株が沢山の花を咲かせて見事で、お茶の水勤務時代は良く見に行きました。

桜貝
桜貝

○「桜貝」
四季咲き剣弁高芯咲き。フロリバンダ。直立性で一枝に8~10cmの淡いピンク色の花を5輪程付ける。耐寒性があり、とげが少ない。庭で元気に毎年花を付けます。

桜貝

○「桜貝」

四季咲き剣弁高芯咲き。フロリバンダ。直立性で一枝に8~10cmの淡いピンク色の花を5輪程付ける。耐寒性があり、とげが少ない。庭で元気に毎年花を付けます。

2013年春に篠宮バラ園で購入したマダム・シャルル・ソバージュ、ニコロ・パガニーニ、近くのホームセンターで売れ残り?そうで安くなったベルサイユのバラ(赤、白)、ディズニーランドローズなども順調に育っており、順次紹介したいと思います。

管理

最低でも1~2月頃の冬の強剪定、12月頃の寒肥えの施肥、適宜の黒点病等の病気に対する農薬による防除が必要と言われていいます。

放置しておいても育ちますが、樹が大きくなって花が上のほうばかりに咲いて鑑賞しずらくなったり小さな花しか咲かなくなるので剪定は毎年行ったほうが良いです。
一般に外芽の上5㎜程度の位置で切るように言われていますが、現実的には良い芽が見つからない場合も多く、その場合は、分岐部には不定芽があるようなので分岐部を2~3㎝残して剪定すると、右の写真のように新しい芽が出てくる可能性が高いです。大きくしたくないなら思い切って下から切ると良い芽が出ることが多いのですが、そのまま枯れたらどうしよう・・と心配になり切れないこともあります。

バラは肥料は好きなので芽が出る前の寒肥を中心に定期的に施す必要があります。鉢植えの場合は、特に夏の水切れですぐ枯れるので注意が必要ですが、水はけが悪いと根腐れて枯れることがあり、植え替えは毎年は難しいなら12月~2月の休眠期に2年ごとには行うようにすると突然枯れる確率は低くなるようです。

苗選び

園芸誌を見ると、新しい種類がたくさん産出されていて似たものも多くどれが良いのか迷います。はじめは”殿堂入り”のような伝統的なバラを先ず育ててみるのが良いと思います。
園芸店では同じ品種が2~3本しか売っておらず売れ残りみたいなのが多いので「良い苗の選び方」みたいな選別が事実上難しく、比較的によさそうなものを選ぶしかりません。有名なバラ生産者の「パパメイアン」をホームセンターで購入しましたが、あまり元気がなさそうで元気に育つことを祈るばかりだったが、不安は的中して枝枯病で枯れてしまいました。育苗が悪いのか園芸店が悪いのか病気を見つけられなかった自分が悪いのか・・?
ネットで購入すると、野ばらに目継した2年物程度の「貧弱な」苗が届きますが、今まで失敗したことがないし、病気にかかっているような場合は返品すると新しい苗を送ってくれます。

病害虫

バラの代表的な黒星病はサプロール乳剤などで、アブラムシや毛虫などはマラソン乳剤などで防除しなければなりませんが、狭い庭に植えていると隣家や周囲に植えてある野菜などが気になって十分にできません。害虫は見つけ次第潰したり局所的に農薬を利用できますが、病気は殺菌剤が必要で、放置しておくとして特に夏の終わり頃には暑さもあってほとんどの葉を落としてしまいます。しかし、涼しくなる10月になると新しい枝が伸び始め、秋の花を咲かせてくれるのでつい放置がちになります。
害虫は色々やってきますが、4月頃からせっかく蕾になりかけている先端部に傷をつけて卵を産んで枯らすバラクビゾウムシ、新しく伸びた茎に縦に傷をつけて卵を産みつけて、そこから発生するたくさんの幼虫が葉を食害するチュウレンジバチの被害が発生するようになります。 時間があれば見回って見つけ次第潰しているが、毎日とはいかないのでどうしても被害が発生してしまいます。
根こぶ病が発生した株はすぐに枯れることはないようですが段々と弱っていくようで、新しいシュートも出なくなるようなので、ある時点であきらめて更新するようにしています。同じ場所に植える場合は別の場所の土と入れまえるようにしています。