2017年は、EM生ゴミ処理容器で作ったたい肥を庭に埋めたら、カボチャの芽が沢山出たので、その中で育ちの良い苗を5本畑に移植して育てました。2本は枯れて残りの苗で5~6個取れましたが、種類や管理の方法もわからず放任状態で、味もあまり良くありませんでした。
土手カボチャといわれるようにカボチャは簡単にできると思ってましたが、現在の西洋カボチャは交配種(F1)のようで、種から育った苗からは何が取れるかわからず、品質も良くないようなので、2018年は新種のはっきりした苗を育てることにしました。
購入した栗かぼちゃの種を3月に3号ポットにまき、育った苗2本と、ホームセンターで購入した苗3本の計5本を5月に畑に植えました。
狭い家庭菜園では何本植えられるかが問題ですが、今回は、3m×4.5mの広さが確保でき、5本(4.5m側)植えたので、株間70cm程度になりました。はみ出しても通路などで何とかなるでしょう。
右の写真は、植え付け後約1か月後の状態で、左から「栗天下」、「栗かぼかぼちゃ」2本、「栗将軍」、「えびす」かぼちゃです。
「栗かぼちゃ」は種から育てた苗で、植え付け時期が遅くなった関係で子ヅルがやっと伸びてくる状況です。
一番左の「栗将軍」は畑に生えてきたものを移植して育てていましたが風に飛ばされて抜けてしまったのでホームセンターであらためて購入したもので、主な生産地が北海道なので暑い埼玉で育つか不安です。
問題は、蔓の管理や果実をどこに成らせ、何個収穫できるかです。
調べると、西洋カボチャでは
・親ヅルは6~7節で摘心し、小ヅルを3~4本伸ばす。または、親ヅルと小ヅル1本を伸ばす。
・低節位にできた果実は、小果・へん平な形になる可能性があり、高節位にできた果実は腰高・空洞になるようで、20節前後についた花芽を成長させる(2番果)。
とするのが良いようです。
放任でもよいのかもしれませんが、家庭菜園で数も少ないのでネットで調べてできればそのとおり栽培してみたいとも思います。
栗かぼちゃ(東京カボチャ)
それまでの粘質な日本カボチャと異なり、ホクホクした食味の西洋(栗)カボチャの日本での元祖で、歴史ある固定種だそうです。
・西洋カボチャは根の再生力が弱く移植しにくいので、直播き栽培で育てると良い。一般に冷涼地を好むが、東京カボチャは中間地や暖地でも栽培可。ただ30℃以上の高温は好まない。
・主枝に着果し分枝力も弱いので剪定せず放任栽培で育てる。肥料は控えめに。
・草勢強く、灰緑色扁円で1.2~1.5kgの中果。果肉は鮮橙黄色。
・家庭菜園においては、つるは摘芯や芽かきをせずにどんどん伸ばす。つるを土からはがして移動させることは根にダメージを与えるので厳禁。
・カボチャは蔓の下に浅く広く根を張るので株間はしっかりとって乾燥や多湿を避けるように熱めの草マルチやわらなどを敷く。
・在来種である東京カボチャは実の大きさは均一ではなくばらつきがあり、やや灰色っぽい薄めの緑色をしている “青皮” に分類される。開花後30日ぐらいで完熟する早熟性。果梗部がコルク化し、亀裂が果梗全体に入った時が収穫適期。収穫後すぐに食べずに1カ月くらい置いておくと追熟して甘くなる。
・実をつけ始めると実に養分が集中して葉っぱの勢いが落ちてくる。
・まわりに草が茂ってくるが、その草は身の日焼けを防ぎ地表の温度を下げ、まわりの鳥などからも実を隠してくれるので、できることなら周囲の草はあまり刈らないほうがいい。
・実をつけ始めると草勢が落ちて、葉の表面に白い粉をふいて、いわゆるうどんこ病になる。
えびす
代表的な品種のようで、環境適応幅が広く、安定した生産が可能なようですが、交配種(F1)なので、取っておいた種を蒔いても、同じものはできないようです。
・肉質は粉質で甘みが強く品質良好なカボチャ。果重1.5~1.6kg程度で、果形は甲高、果皮は濃緑地に淡緑のちらし斑が入る。
・低温期でもつる伸びがよく、雌花の着生と着果、肥大がよいので作りやすく多収種。交配後40~45日程度で収穫を迎える早生種。
・子づる2~3本仕立て、もしくは放任栽培に適し、子づる栽培では1番果の着果位置を10節前後とし、低節位の雌花は早めに除去する。
くり将軍
果重2kg前後の大果が2番、3番果でも着果後50から55日で収穫できる早生で多収の品種のようです。
・果面の条溝は目立たず、艶がある。果肉は粉質で食味に優れ、収穫直後でも糖度10度程度あり、後熟せずに加工も可能。
・葉柄は太く、草勢が強く着果安定し、連続着果させても同じくらいの大きさで収穫可能で多収。
・親ヅルは10cm程度伸張した頃に摘芯する。子蔓の葉の直径が30cm程度になった以降の節に着果させる。目安は6節から10節前後で、樹勢により前後させる。樹勢を見て1番果着果後に適宜追肥を行い、1番果の肥大促進と2番果以降の着果数が増え、より多収となる。
・ウドンコ病は、肥切れによる草勢の低下が最大要因。堆肥施用で収穫まで肥効の維持を行う。
・生育初期6〜7節は短節間で伸びるが、雌花開花時に直径35cm前後であれば積極的に着果させ、5玉、6玉の収穫は十分に可能。
栗天下
新しい品種のようで、貯蔵にも向く、粉質で食味に優れた大玉の黒皮種だそうです。
・草勢がやや強いが雌花の着生が良く着果も安定し、収量性が高い。
・つる伸びが早く、葉は大きく展開し、節間はやや長い。
・成熟は40~50日程度の中早生種。
・果皮色は黒に近い黒緑で、条斑は目立たない。果形は甲高の扁円形、4~5玉サイズ中心に良く揃う。
・果肉は濃橙黄色で特に肩部位の果肉が厚い極粉質。糖化がやや遅く、貯蔵後の食味は極めて良好。
・本葉4~5枚頃に摘心し、2~4節目から生育の揃ったつる2~3本仕立てとし、着果位置までの側枝は早めに除去、それ以降は放任。着果節位は10節前後。
・節間がやや長く、着果位置がやや遠くなるため、畝幅は3.5m~4m、株間は60~90cm程度とする。
・収穫後は粉質が強いため、1か月程追熟させる。